MDI発足記念 代表、副代表 対談

メンバーが悩みを持ち寄り、相互に触発し合えるネットワーク構築の場

----- 新たな経営のあり方をデザインする能力を構築するには、どんなことをしていけばいいのでしょうか。

南雲 どの組織も課題解決や、さらなる業績向上のために必ず「経営手法」を「道具」として使っているはずです。
 私自身も所属する組織で「経営手法」を「道具」として用いて経営戦略を作成していました。その際に、“一つ”の経営手法だけに頼り、業績向上を図るのは至難の技だと痛感しています。
 どの手法にも強みもあれば弱みもあり、万能という訳ではありません。一方で、解決しなければならない問題というのは、たくさんの要因が重なり合って生じていて、原因はひとつではないのです。だから、ひとつのツールだけを導入してもすべての解決を図ることには無理があるといえます。

小楠 道具は長所短所を含めた使い方を知っていた上で、導入成果を期待できるかどうかの現場感覚、肌感覚をもっていなければいけない、と考えています。
 私は事業企画をする部署で経営改革に従事していた時に、BSC導入の旗振り役をしておりました。当時の私の生活は、朝から晩までBSC一色で、BSC以外何も目に入ってこなかった程です。しかし、ある時、BSCは確かに経営者のビジョンやミッションを現場に落とす仕組み作りには長けているが、掲げられたビジョンやミッションのもとになっている事実の抽出やその解釈がずれていることがあれば、結局はボタンを掛け違えてしまったカスケードダウンになってしまう、と気づいたのです。
 ファクトファインディングが曖昧なままで、組織のビジョンを作成して、現場におろしても望む結果は期待できない、そのためにはファクトファインディングの手法も必要だと感じました。そこで、私が学んだのが日本経営品質賞でした。他業種の先輩の「BSCと経営品質賞を掛け算でやったら上手くいきますよ」というアドバイスは、まさに目から鱗が落ちる思いでした。
 南雲さんとは、MDIの前身となるBSC研究会でご一緒させていただきました。南雲さんはBSCや経営品質賞のみならず、シックスシグマ、CSR、COSOなどさまざまな経営手法を研究し、実践なさっただけでなく、アメリカの子会社の経営戦略の推進役としてもその大役を果たし、実績を出されていたので凄いな、とお会いするたびにいい意味で刺激されていたのです。
 そこでMDIは、道具となる様々な経営手法を学んでいくことはもちろんですが、それに加えて、現場を実際に動かしている会員メンバーが悩みを持ち寄り、みんなで「こういうケースで困っているのだったら、こんなことをやってみたらどうだろう」とアイデアを持ち寄ることで相互に触発し合える人的ネットワーク構築の場にしていきたいのです。
 MDIの運営方針である「実践に基づく叡智から新たな経営のあり方を共創する」という “共創”には、所属組織が異なる会員たちが、得意分野を持ち寄り、さまざまな問題の答えを共に創りだす、と言う意味が込められています。

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